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毎日新聞 1995年「この人」欄A12月26日
1995年「この人」貧しいが優秀な子どもを援助
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----- 以下掲載記事全文
★貧しいが優秀な子どもを援助
C.P.I.教育文化交流推進委員会 会長 小西菊文さん
聞き手:加瀬 雄二
写 真:荒牧 万佐行
Q:▼スリランカ、インドネシアの子どもたちへの
奨学援助に「教育里親・里子という言葉を使ったのは?
A:同じような団体がすいぶん出てきたが、私たちは
現地での「教育支援と教育開発」に限定しており、
養子制度ではない。
相手との結び付きで育てたあとの目標について、よく見てほしい。
(養子制度というのは、気をつける必要がある)
外国のある団体では、可愛い子を選んで里子にし、
勉強させて養子として売っているひどいケースもありますから。
中学から高校卒業までの過程で、学習意欲の伸び率が
ぐんと高まるときがあります。
そのとき家庭や地域が貧しくても優秀な子がいる。
この子らに手を差し伸べ助ける。
現地で子供たちの自立する力をつけてあげる。
これが私たちの教育里親里子制度です。
日本で支援する人を教育里親、現地の子どもを里子と呼び、
原則的には一人の里親が
責任を持って一人の里子を援助しようというシステムです。
里親の負担は、里子一人を一口として年間に"36,000円"です。
Q:▼やはり援助は、生活に入り込んだ親しみのあるものが 必要ですね?
A:援助を受ける側は、いま社会リーダーを求めている。
経済的な大プロジェクトよりも、"教育"・"福祉"などの方が
必要なのでは。
Q:教育里子はどう選ぶのですか?
A:困窮地域で、地域振興や福祉、教育に熱心な先生がいる
学校をまず選びます。
その中で家庭環境は悪いけど、成績優秀で責任感の強い生徒を
現地協力団体の教育文化センターが選び、
当会に連絡してくるわけです。
Q:援助対象の子どもは?
A:スリランカは九年生(十三歳)から十三年生まで。
日本でいえば中学、高校生といったところ。
十一年生(中学)卒書資格の獲得をまでをまず目標とし、
十三年生(高校)卒業資格までいく生徒には
引き続き援助します。
インドネシアは中学三年から高校三年までをまず目標にして、
国立大学に入った学生は引き続き援助していきます。
何しろ教育費負担に耐えられない家庭か多く、スリランカの場合、
八年生を終わるまでに25%がドロップアウトする。
そういう中から救い上げた子どもたちが優秀な育ちかたを
してくれると嬉しいですね。
たとえば、十一年から十二年生になるときの進級試験は、スリランカ
全般で見ると、浪人学生を含めても25%くらいしか合格しません。
ところが、わが里子は約80%が合格。
奨学制度というのは、ただ資金を送ればいいものではないのですよ。
(日本から送ったお金を支出するときは、すべて小切手です。
さらに地域センターでは、子ども毎に、何に使ったかを詳細に
管理して、現地本部に報告をします。
70以上の地域センターの会計を統括するのは、結構たいへんな
ものですよ。)
子どもに直接のお金を渡すのは、通学費・服の仕立て代
補修学校費くらいです。
多額の現金を子どもが持つことは、良くありません。
そういった意味でも、里親からの現金の送付は、厳禁してます。
学用品、制服、靴、通学費・補習学校費、研修費などのほか、
社会リーダー研修、進路指導などに使います。
これまでに援助した子供はスリランカ2960人、
インドネシアは3380人です。(つづく)