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毎日新聞 1995年「この人と」欄B12月27日
積極的に教育里親に参加を
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----- 以下掲載記事全文
★積極的に教育里親に参加を
C.P.I.教育文化交流推進委員会 会長 小西菊文さん
聞き手:加瀬 雄二
写 真:荒牧 万佐行
Q:▼スリランカとインドネシアの国民性や経済状態はどうですか?
A:インドネシアでは、まず世界平和の実現を考えます。
そのためには国が良くならなければならない。
さらには地域社会が、各家庭が、個人が頑張らねばならない。
要するに社会があってこその個人であるという。
スリランカでは逆で、まず良い個人ありき。
そして、良い家庭、良い社会、良い国と。
自分が幸福になれば、社会全体も幸福になると考えます。
両国とも経済状態は良くない。スリランカは、
コロンボ以外は相当ひどい。
全体の90%は地域や地域や家庭環境が困窮している。
インドネシアは、広大な田舎の地域がまだまだです。
その中で、救いは両国とも識字率が90%と高いことです。
Q:▼教育里親の希望者は多い?
A:1989年に初めて募集した後、2千人の応募があり、
5百人に教育里親になって戴きました。
翌年は3千人の問い合わせがあって1500人と順調でしたが、
バブル崩壊で1993年から、増えた分だけ減るという状態になって。
日本人は、町内会で頼まれたときは百円玉を入れる
″赤い羽精神″がしみついて、自分の意思で自分の思いをどう現すか、
という考えを持っている人が増えてほしいですね。
教育里親・里子は、スリランカ里子2460人に対して教育
里親は1750人、インドネシアは、502人に対し500人です。
毎日のように里子希望者は来るが、教育里親が増えないので
援護出来ない子供たちが居て、残念。
一人で複数の里子を持っている状況。
Q:ふだんはどんな交流を?
A:文通や、里子を訪問で激励します。
文通では、キャッチボールがうまくできないと悩む里親が多い。
例えば「この前、遊園地に行きジェットコースターに乗った。」
という手紙を里親が出す。
「あなたは遊園地ではどんな乗り物が好きですか」と
里子に問い合わせる。
ところが、里子はといえば、住む地方には遊園地がないから、
一生懸命考えた末に、
「私は、正月に太鼓を作って遊びます」という返事になる。
日本人は、何のことやらわからないから、
欲求不満なまま文通が嫌いになるわけです。
文化理解は、わからない所から出発するからおもしろいのにね。
時間はかかっても、絵を描いたりしながら、やっと分かった
ときの喜びを追っかけて欲しいんですよね。
Q:将来の展望や希望は?
A:子供の学習意欲がいちばん増す高校卒業のとき、我々の
教育援護が終わるのでは駄目。
スリランカ、インドネシアとも国立大学に進む者は、
確実にサポートしたい。
専門学枚や地域開発に進む者も支援したい。
研修所も造りたいですね。
これからの日本人の展望はといえば、
アジアの人と『うまく』接せられれば、
世界中どこへでも胸張って生きていけますよ。(おわり)
追記(小西菊文):この仕事をやってきて、世界中の人からの反応で、
信頼とは自己の意思による行動(=ボランティア活動)によって
得られるものであるということがよく分かる。
だから、上記の「うまく」の意味は、「こころ響きあえて」 ということです。